雑誌
『月刊雑誌』2016年8月号
Vol.62 No9 通巻907号
看護技術2016年8月号
在宅療養支援における 褥瘡予防・管理の知識と実践
編集協力/前川厚子
看護師の特定行為 ;創傷管理関連 手順書に基づく指示・実践・報告
執筆/日野岡蘭子、丹波光子
B5判/96頁/定価1,320円(本体1,200円+税10%)
401080
- ●説明
第1特集
在宅療養支援における
褥瘡予防・管理の知識と実践
編集協力/前川厚子(名古屋大学大学院医学系研究科 看護学専攻 教授)
現在,医療提供の場は入院医療中心から外来や在宅,施設へとシフトし,その移行スピードも速まっている.病院における褥瘡管理においてはチーム医療の成果があがったが,地域在宅療養支援でも切れ目のないケアの流れづくりのなかで,多職種による『ケアの質保障』への取り組みが重視されている.褥瘡管理の原則は圧迫・ずれに対する対応,スキンケア,栄養管理,褥瘡評価に応じた処置などを行うことであり,療養の場が変わってもケアする人が変わっても手を抜いてはならない.特に,在宅療養の場は訪問看護利用者とその家族にとって大切な生活の場であることを忘れてはならず,当事者の希望と意向に沿ったアプローチが不可欠である.また,褥瘡発生の引き金となる要因を見極め,個別状況に応じたケアを展開することが求められている.さらに在宅で円滑に褥瘡ケアを展開するためには,専門性をもった様々なクロスオーバーチームの協働や地域連携も欠かせない.
そこで本特集では,在宅の視点を踏まえた褥瘡予防・管理について概説するとともに,在宅でスムーズな褥瘡ケアを展開するうえで欠かせない地域連携と多職種コラボレーションの実際についても解説する.
最近は「褥瘡予防が可能」と認識され,人が介在したときに生じる力による外傷:Pressure Injury を防ぐアクションプランが提唱され,用語も改められつつある.さらに褥瘡は高齢者ケアと臨床における質の指標:Quality Indicator として着目されている.このようなとらえ方で病院と地域在宅医療圏で褥瘡コントロールを進める地域づくりの視点をもち,在宅で療養者と家族介護者が実現可能なケアを実施する計画を立て,ケア全体にかかわる医療・介護・福祉のクロスオーバーチームメンバーが効率的に機能を発揮でき,良好なアウトカムを得られるように事業展開することが重要となっている実情をご理解いただきたい.
Part1 在宅における褥瘡ケアの考え方/塚田邦夫
Part2 褥瘡保有者を円滑に在宅ケアへ移行させるためのポイント/池戸初枝,前川厚子
Part3 在宅における褥瘡のリスクアセスメント/近藤佳子,村井満美子,前川厚子
Part4 在宅における褥瘡の予防・管理
@ 圧迫・ずれへの対応/堀田由浩
A スキンケアと排泄管理/中村千香子,清政一二三,前川厚子
B 栄養管理と評価/松田勝寛,大西山大
C オーラルマネジメント/板倉康夫,岩田敦子,前川厚子
D 看護リハビリテーション:関節拘縮予防と自立の支援/林 佳永,下元佳子
Part5 褥瘡の評価とケア/村井満美子,近藤佳子,前川厚子
Part6 在宅褥瘡ケアにおける連携
@ 多職種チームによるかかわりとチームマネジメント/佐藤アイ子,保利美也子,前川厚子
A 地域・施設連携で在宅褥瘡管理システムを運用する価値創出を目指そう/前川厚子,林 登志雄
第2特集
看護師の特定行為;創傷管理関連
手順書に基づく指示・実践・報告
執筆/日野岡蘭子(旭川医科大学病院 皮膚・排泄ケア認定看護師)
丹波光子(杏林大学医学部付属病院 皮膚・排泄ケア認定看護師)
2015年10月より『看護師の特定行為に係る研修制度』が施行され,指定研修機関における研修を修了した看護師は,手順書に定められた診療の補助の内容を実施することが可能となった.来る2025年問題に向けてさらなる医療の充実を図っていくうえで,今後,研修を修了した看護師の活躍が期待される.一方で,本制度はまだ広く認知されているとは言い難く,具体的にどのような手順で行為が進み,どのように現場で力を発揮していくのかイメージがつかない医療者・管理者も少なくないのではないだろうか.
そこで本特集では,21ある特定行為区分のうちの『創傷管理関連』に焦点を当て,実際に指定研修機関における研修を修了したエキスパートによる特定行為の実際について解説する.
写真資料
Part1 褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去/日野岡蘭子
Part2 創傷に対する陰圧閉鎖療法/丹波光子
連 載
◆皮膚からみる全身疾患
結節性紅斑をみたら/金児玉青
◆看護師のためのファーストエイド実践
病棟を歩いていて突然失神発作を起こす患者/草場賢太郎,増山純二
◆がん患者の生活支援
ACP(アドバンスド・ケア・プランニング)
:これからの療養の場のことを話し合う/林 ゑり子
◆ベッドサイドモニタQ&A
ICPモニタ/井川洋子
人工呼吸器グラフィックモニタ/上岡将之
スワン-ガンツカテーテル/大槻勝明
- ●その他
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第1特集
「最期まで食べること」を支える
終末期患者への食支援
編集協力/野原幹司(大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学教室 准教授)
摂食嚥下障害の改善を目指すことが難しい終末期患者でも,適切なアセスメントと食支援により,安全に経口摂取を行える場合もある.最期まで経口摂取を続けることを支援するためには,看護師は多職種と連携しながら,残存機能に応じた食事中の観察や介助,適切な口腔ケア,食事環境の調整などのケアを行うことが重要である.
そこで本特集では,患者が最期まで食べる楽しみを保つために必要なアセスメントと,食支援の考え方や方法,多職種連携について紹介する.
第2特集
栄養管理における地域連携
編集協力/柴崎美紀(杏林大学保健学部 講師)
低栄養に陥っている,またはリスクの高い患者は,病院のみならず,在宅や介護施設においても多くみられる.そのような状況において,病院や訪問看護ステーション,地域の診療所や歯科医院などが施設を超えて連携し,地域全体で栄養管理に取り組んでいくことが求められている.
本特集では,栄養管理における地域連携の実際とそのなかでの看護師の役割について紹介する.
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