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雑誌

看護技術2019年1月号

『月刊雑誌』2019年1月号
Vol.65 No1 通巻941号

看護技術2019年1月号

術後患者の「痛み」をとらえる! 術後疼痛の観察とアセスメント
編集協力/遠藤みどり(山梨県立大学看護学部 教授)
“快適”な起床を早期回復につなげる 術後患者のモーニングケア
執筆/大橋久美子(姫路獨協大学看護学部 准教授)
B5判/104頁/定価1,430円(本体1,300円+税10%)
401010


●説明
第1特集

術後患者の「痛み」をとらえる!
 術後疼痛の観察とアセスメント

  編集協力/遠藤みどり(山梨県立大学看護学部 教授)

 痛みを適切に管理することは術後患者の管理において非常に重要であるが,痛みは主観的な感覚であり,患者によって感じ方やその影響は異なるため,医療者中心で画一的に管理することは難しい.このことから,患者の感じている全人的な痛みを的確にとらえ,治療・ケアに反映していくこと,つまり患者中心の術後疼痛管理を行うことが必要である.
 本特集では,患者中心の術後疼痛管理における看護師の役割や,痛みのアセスメントとケアの考え方やポイント,具体的なケア事例を紹介する.

第2特集

“快適”な起床を早期回復につなげる
 術後患者のモーニングケア

  執筆/大橋久美子(姫路獨協大学看護学部 准教授)

 術後急性期の患者,特に高齢者は,慣れない入院環境や術中の麻酔の影響,疼痛などの術後の症状などにより,睡眠と覚醒のリズムが崩れる.これによる生活リズムの崩れは,せん妄発症やリハビリテーションの遅延など術後管理に悪影響を及ぼすものであり,生活リズムを整える支援は術後患者の生活をみる看護師の重要な役割である.
 本特集では,生活リズムを整えるために有効なモーニングケア(快適起床ケア)の概要と効果,具体的な方法について解説する.
●目次
術後患者の「痛み」をとらえる! 術後疼痛の観察とアセスメント

Part1 患者個々に合わせた術後疼痛マネジメント:看護師に求められる観察と実践
     遠藤みどり

Part2 患者の“痛みの体験”をひもとく術後疼痛のアセスメント
     井川由貴,山本奈央

Part3 術後疼痛のコントロール
  @薬物療法
     飯嶋哲也

  APCA(患者自己調節鎮痛法)
     飯嶋哲也

  B非薬物療法
     山本真基子,中込洋美

  Topic1 術後疼痛コントロールにおける医療安全を考える
     藤森玲子

  Topic2 術後疼痛コントロールにおける栄養管理
     中瀬 一

Part4 事例にみる 術後疼痛マネジメント
  @夜間に痛みを訴える整形外科術後の高齢患者
     上川智彦,山本奈央

  A胸痛を訴え続ける開胸術後患者
     高取充祥

  B突如出現した強烈な痛み体験により離床が進まない開腹術後患者
     渡邊泰子,井川由貴

  C下肢切断による全人的な痛みを抱えた外傷患者
     梶原絢子,遠藤みどり

第2特集

“快適”な起床を早期回復につなげる 術後患者のモーニングケア
 
Part1 快適な起床のためのモーニングケア
     大橋久美子

Part2 術後患者の回復促進のための「快適起床ケア」
     大橋久美子

連 載

スキンケア用品の正しい選び方・使い方
スキンケアの基礎知識
  帶刀朋代

患者の“食べたい”を支えるテクニック
“口から食べたい”を支える包括的ケア:KTバランスチャートの活用
  竹市美加

予期せぬ急変の徴候を見逃さない
急変前の予兆とは【知識編】
  渕本雅昭

インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴
日常ケアに潜む落とし穴とは?
  黒川美知代

疾患を限定しない緩和ケア
がんだけが緩和ケアの対象じゃない! “疾患を限定しない”緩和ケア
  千葉恵子

看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方
看護における臨床倫理の必要性
  習田明裕

看護師の語りから見いだす 看取りのエッセンス
療養場所の意思決定に関する高齢終末期がん患者と家族の揺らぎを理解し支えた看取り
  吉田希美

研究レポート
がん患者・家族を対象とした傾聴ボランティアの活動について〜語りの分析から〜
  上河若菜,佐々木直美
●その他
【次号予告】
 2019年2月号は2019年1月20日発売!

第1特集

病院看護師の行うがんサバイバー支援
 治療中・治療後の心理・社会的問題を中心に

  編集協力/岡本明美(順天堂大学大学院医療看護学研究科 准教授)

 がんサバイバーは,治療に伴う長期的な合併症や身体機能・容貌の変化に伴う心理的苦痛,再発・転移への恐怖,周囲の人の偏見や過度な気遣いによる人間関係の悪化,治療による就労や就学への影響など様々な心理・社会的問題に直面する.看護師には,患者が抱える,あるいは今後直面すると予測されるこれらの問題に対し,患者自身が気づき,解決策を見いだせるように支援していくことが求められる.
 本特集では,がんの急性期医療を担う病院の看護師が,治療中・治療後のがんサバイバーが直面する心理・社会的問題を理解し,支援できるようになることをねらいとし,がんサバイバーシップの考え方,治療中・治療後のがんサバイバーが抱える心理・社会的苦痛について解説するとともに,病棟や外来での支援の実際を紹介する.


第2特集

がん患者を看取る家族のグリーフケア
  編集協力/山ア智子(東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科 准教授)

 人は家族や友人などとの死別によって,喪失による悲嘆(グリーフ)を経験する.これにより睡眠障害や抑うつなどの症状を呈することもある.これは通常の反応であり,プロセスを踏んで徐々にそれを乗り越えていくが,時にはそのプロセスが遅延したり,阻害されたりすることで,病的な反応につながる場合もある.
 本特集では,わが国の死因の多くを占めるがんによる死別に焦点を当て,悲嘆のプロセスを辿る家族がその経験を前向きにとらえ直し,立ち直っていくことを支援するための考え方やケア事例を紹介する.


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   包括的アセスメントと健康障害へのアプローチ


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