雑誌
『月刊雑誌』2016年7月号
Vol.41 No8 通巻511号
看護展望2016年7月号
急性期病院における 「認知症ケア」のための スペシャリストの活用
B5判/88頁/定価1,540円(本体1,400円+税10%)
402070
- ●説明
- 特 集
急性期病院における「認知症ケア」のためのスペシャリストの活用
急性期病院では、第一の目的である「病気を治す」ことに専念するあまり、それ以外のことに目が行き届かず、入院中にADLが低下するケース、認知症が悪化するケースが少なくないという指摘があります。また急性期病院の看護師は、認知症のある患者のケアについての知識や経験があまりないことから、苦手意識をもち、ケアに困難を感じている場合が多いとも言われます。
急性期病院でも適切な認知症ケアを提供することが非常に重要ではありますが、それには認知症のスペシャリストが看護師のケアを引き上げる体制をつくることが効果的とされています。このようなスペシャリストの配置は、今回の診療報酬改定でも認知症ケア加算という形で評価され、スペシャリストの活躍が期待されています。
本誌2014年5月号においては、「認知症ケアを組織で考える時代へ;急性期病院に求められる意識改革」を特集しましたが、今回はそのような組織的対応において最大のカギとなる人的リソースに焦点をあて、認知症ケアのスペシャリストの役割、育成、配置、業務内容、さらには多職種による認知症ケアチームの活動の実際をみていきます。
- ●目次
- Top Management――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
師長・主任との固い絆が織りなす看護管理
JA上都賀厚生連 上都賀総合病院 副院長兼看護部長
齋藤由利子氏に聞く
特 集――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
急性期病院における「認知症ケア」のためのスペシャリストの活用
なぜ「認知症ケア」にスペシャリストが必要なのか
/島橋誠
認知症看護認定看護師による認知症ケアの実際
急性期病院における認知症看護の定着
─ 院内研修とチーム活動の実際 ─
/上野優美・鈴木恵子
院内デイケアにおける認知症看護認定看護師の活用
/眞野惠子
認知症ケアチームによる認知症ケアの実際
認知症に優しい急性期病院を目指す「認知症サポートチーム」の活動
/古田美子
チームで取り組むQOLを重視したせん妄・認知症ケア
/中村由喜子
この人に聞く――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
認知症専門病院の職員教育とは
正しく理解すること、そして尊厳を支えるケアを提供すること
医療法人社団翠会 和光病院 看護副部長
石川容子氏に聞く
管 理―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
コンピテンシーを深く理解し看護管理に活かすための
東大病院・医科研病院式グループワーク実践講座F
PART1/異動後のスタッフに自信をもたせるための教育体制を構築した[改革力]
PART2/薬剤の紛失を機に「誠実であること」を考えさせた[コンプライアンス]の順守
/森浩美・小見山智恵子・武村雪絵
PNSの実践からみる運用を成功させるためのコツF
教える側も教わる側も共に学び合うPNSの取り組み
/福田妙美
働きやすさを実現する労務トラブル対応マニュアルF
試用期間に関する労務トラブル対応
/加藤明子
臨床と教育の連携――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
考える看護師の育成を目指した臨床と教育のつながりの形を探るF
施設・市と連携・協働をすることで地域とつながるユニフィケーション
/奥津文子
教育―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
組織で活きる社会人基礎力の育成【最終回】
社会人基礎力の育成のための取り組みと評価
/箕浦とき子
研究報告
一般市民を対象としたアロマトリートメントの実践報告
/朝澤恭子・加藤慶洋・田島真実
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行政の動き
主要7か国首脳会議で、G7版「3本の矢」の共同実行を宣言
世界経済のリスクの高まりを受け、新たな危機に陥ることを回避
安倍首相「アベノミクスをもう一度最大限ふかしていく」
/水巻中正
Topics
夜勤シフトが冠動脈疾患リスクを増大
妊産婦4万人に精神的ケア必要
国立大学病院で働く看護師の労働実態調査
/渡辺美佐緒
こころをみつめる Book Guide ●Vol.103
清野とおる著『その「おこだわり」、俺にもくれよ!! 』
/皆藤 章
- ●その他
- 2016年8月号――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
特集:
地域包括ケアシステムを見据えた看護教育
2025年に向けて地域包括ケアシステムの構築が推進されるなか、看護教育においてもこのシステムを見据えた様々な取り組みが始まっています。
このような取り組みにより、学生が自分の住んでいる地域に関心をもち、そこでの看護の役割を具体的に知り、そこにかかわりをもつという経験は、たとえはじめは病院に勤務するとしても、地域や生活を意識した看護が提供できるようになったり、将来、地域包括ケアシステムの中で活躍するための素地が形成されることが期待されます。
そこでこの特集では、地域包括ケアシステムを見据えた教育に先駆的に取り組んでいる看護学校・大学において、どのような教育を行っているのか、その効果も踏まえて紹介していくものとします。