雑誌
『月刊雑誌』2022年3月号
Vol.68 No3 通巻985号
看護技術2022年3月号
超高齢重症患者へのクリティカルケア
「人生 100 年時代」に求められる看護の調整力
編集協力/清水孝宏
患者にとっての「快」を考える
気持ちよさをもたらす看護ケア
編集協力/縄 秀志
B5判/96頁/定価1,430円(本体1,300円+税10%)
401030
- ●説明
第1特集
◆超高齢重症患者へのクリティカルケア
「人生 100 年時代」に求められる看護の調整力
編集協力/清水孝宏(一般社団法人 Critical Care Research Institute(CCRI) クリティカルケア認定看護師)
高齢患者の病態やケアすべき事柄は多岐にわたり,看護のあり方も大きく変化している.高齢化の加速度だけでなく,人口に占める割合の高さも問題となる超高齢社会において,クリティカルケア領域でも高齢化する救急患者への対応に追われている.
高齢者の救急患者は重症例が多く,年齢の振り幅によって認知機能や運動能力の低下,皮膚の脆弱性や意思決定支援における決定者の不在など,より多角的かつ繊細なケアが求められる.
本特集では,超高齢化するクリティカルケア領域の重症患者への看護について解説する.
第2特集
◆患者にとっての「快」を考える
気持ちよさをもたらす看護ケア
編集協力/縄 秀志(聖路加国際大学 看護学研究科 教授)
私たちにとって毎日の生活のなかで感じる「気持ちよさ」には,どのような価値があるだろうか? 今日一日,頑張って仕事した,勉強した,育児や介護をした……,疲れた日の入浴やマッサージは,「あぁ気持ちいい〜」と感じる至福の時であり,明日も頑張ろうと,元気を取り戻す時間でもある.しかし,病気や治療・リハビリ,苦痛症状を抱える療養者は,自分で入浴することやマッサージなどを受けに行くことは難しく,援助者のケアに委ねざるを得ない.
看護師は,清拭,足浴,手浴,温罨法などの生活援助や温めるケアを大切にする専門職のはずであるが,忙しさを理由にこれらのケアが疎かになり,ケアをとおしてもたらされる「気持ちよさ」が軽視されている現実がある.
本特集では,皮膚を介して療養者に触れるケアが「気持ちよさ」をもたらし,やる気や意欲を引き出し,援助者との関係性が構築される現象を,読み解いてみようと思う.一人でも多くの看護師が「気持ちよさ」をもたらすケアを見直すきっかけとなり,生活援助や温めるケアに誇りを感じて欲しい.
- ●目次
第1特集
◆超高齢重症患者へのクリティカルケア
「人生 100 年時代」に求められる看護の調整力
編集協力/清水孝宏
●Part1 「超高齢化する重症患者へのクリティカルケア」に求められる看護の調整能力
道又元裕
●Part2 クリティカルケア領域における高齢重症患者の特徴
➊意思決定者の不在
立野淳子
➋PICS
小林俊介
➌併存疾患・合併症
丸谷幸子
➍侵襲的な医療による併発症
松波由加
➎摂食嚥下,栄養管理
松尾晴代
●Part3 事例で学ぶ 高齢重症患者へのクリティカルケア
➊ICU退出後のPICSに苦しむ患者へのケア
櫻本秀明,岡本菜子
➋栄養管理とリハビリテーション
永野彩乃
➌面会制限のなかで意思決定支援を強いられた事例
石川 峻
➍慢性疾患患者を多職種で連携した事例
林 真理
第2特集
◆患者にとっての「快」を考える
気持ちよさをもたらす看護ケア
編集協力/縄 秀志
●Part1 「気持ちよさ」を科学する:先行研究から読み解く「気持ちよさ」とは?
➊「気持ちよさ」を感じる時の心身のメカニズム
縄 秀志,鈴木彩加
➋「気持ちよさ」をもたらすケアの気分・心理行動的側面の反応と効果
―患者と家族,看護師自身の主観的変化―
樋勝彩子,佐居由美
●Part2 「気持ちよさ」をもたらす看護ケアアプローチのコツとポイント
➊事例
東郷美香子
➋アプローチのコツとケアの評価
縄 秀志
➌「熱布バックケア」の紹介
内山孝子,河合桃代
連 載
◆選べる! 使える! ストーマ装具(最終回)〔解説動画つき!〕
●これからの装具・装具選択に求められるもの(展望)
山本亜矢
◆看護サマリーの書き方
●看護サマリーに必要なスキル(2)概念化
河野秀一
◆患者の自発性を引き出す服薬支援
●認知症を伴うパーキンソン病患者
天白宗和,溝神文博
◆LGBTQを理解する
●外来受診時・入院時のトランスジェンダーが直面する困難さ・違和感
江口珠美
◆マイナーエマージェンシーを見逃さないためのポイント(最終回)
●背中が痛い(尿路結石症)
関川 歓・他
- ●その他
- 【次号予告】
2022年4月号は2022年3月20日発売!
第1特集
◆多忙でも絶対にできる!
患者の心理・認知・身体機能を考慮した排泄ケア
編集協力/平山千登勢(杏林大学医学部付属病院 皮膚・排泄ケア認定看護師)
患者への排泄ケアは,個別性や認知・身体機能などに応じた配慮が求められることは言うまでもない.しかし患者の個別性を無視し,排泄ケアをルーティン化してしまうと,患者の自尊心を傷つけ,また認知・身体的な機能の変化をとらえることができないために,適切な排泄行動の支援ができない.しかし,多忙を極める病棟では排泄ケアはルーティン化されてしまいがちで,適切な排泄ケアが十分に実施されていない施設も数多く存在する.
そこで本特集では,患者の心理や認知・身体機能に配慮した排泄ケアについて解説する.
同時発売! 4月臨時増刊号
◆病棟看護師に求められる
入退院支援と退院調整のポイント
編集協力/永田智子(慶應義塾大学 看護医療学部 教授)
医療技術の進歩や医療政策により,入院日数は年々短くなっている.そのため,入院決定時から患者・家族の状態をアセスメントし,入院前から退院後までのシームレスな連携が求められる.
しかし,入退院調整看護師への情報提供の時期や内容,地域のケア提供者とのコミュニケーション方法がわからず戸惑う病棟看護師も多く,病院と地域との連携が十分に図れていないケースはいまだに数多くある.
本増刊号では,入退院調整看護師や地域の連携先が病棟看護師に本当に求めている入退院支援や退院調整についての情報や,入院中に実施してもらいたいと考えている退院支援などについて紹介していく.
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